以前書いた記事ですが、行方不明になってしまったので再掲します。
アメリカ人作家によって絵本化されたものが日本語に訳されたようです。
http://t.co/1D9dabg
映画の公式サイトはその後更新されていないようで、一般公開がどうなったのか不明。
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1時間ほどのドキュメンタリー映画です。原題は『Biblioburro』。biblio- は「本の」という意味ですが、この名前はたぶん biblioteca(図書館)から来ているかと。burro はロバ。その名の通り、ロバが本を運ぶ図書館。
カリブ海に面する地方に住む小学校教師ルイス・ソリアノは自身が子供の頃に移動図書館から借りた本を読んで育ったこともあり、辺鄙な村の子供たちにロバで本を運ぶことを思い立つ(この辺は映画ではなく英語版 Wikipedia から)。
彼は土曜の朝、夜明け前に2匹のロバとともに家を出る。よその牧場の敷地を通り、ひざの上まで水に浸かって大きな水たまりを渡り、やっと子供たちの元へ。ちょっとした授業をして本の交換をしたあと、保護者たちにもらったパイナップルやニワトリを積んで再び出発。別のところで成人相手に読み書きの基礎を教えている教師に資料のコピーを渡し、帰途につく。
大変だけれどもどこかほのぼのとした光景が淡々と描かれる。特に何かが起きるわけではない。
「何か」は既に起きたあとだ。
彼は子供たちに絵を描かせる。テーマは「忘れられない、悪夢のように辛かった出来事」。
ある子は絵を見せながらこう説明する。「おじさんの農場にパラミリタール(武装勢力)が来て、おじさんを殺しちゃった」
作文を書かせることもある。「妹が爆弾を拾ってしまいました。パティオで妹が泣いていました。妹は血まみれでした。お父さんやおじさんたちや近所の人がみんな来ました」
彼はひとつひとつの発表が終わると、子供たちに問いかける。「彼女はこの思い出をどうすればいいのかな?」
子供たちが答える。「あとに置く!」
「こんなことが起きないように国を変えるのは誰?」
「ぼくたち/わたしたち!」
国を変える力を持っているのは、この彼のような教師なのだと思います。
シカゴ映画祭に出品されるらしいので、その後世界的に公開されるのかも。
このブログで写真が見られますが、船のシーンはなかったような気がするので、映画祭に出品されるバージョンはもっと長いのかもしれません。
http://elbiblioburro.blogspot.com/
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