コロンビアの生活にはアメリカのそれに似たところがあり(というほどアメリカのことは知らないんですが)、安全も医療も金で買うものです。
うちは民間の保険に入っているのでそれを通して医療サービスを受けるのですが、経済的に苦しいとか、体が丈夫なので民間の保険に入っても元が取れそうにないとかで民間の保険に入らないと、公共の医療サービスを受けることになります。
民間の場合は救急を除いて診察は予約制なので、基本的にはあまり待ちません。しかし公共の病院で診察を受けようと思うと、朝早くに行って並ばなくてはなりません。
知り合いの女性は最近、夫の兄の看護でときどき病院に泊まり込んでいるそうです。詳しく聞いていませんが、話の感じからたぶん公共医療。夫といっても彼女は夫とは死別しており、子どもたちにとってはおじですが、彼女にとっては赤の他人。病人本人が高齢であることやいろいろな事情から、他に世話をする人があまりいないようです(しかし彼女も亡き夫もまだ若い(若かった)ので、兄弟といっても異母兄弟ではないかと思われる)。頭が下がります。
本人はほとんど病院のベッドに寝たきりでずっと酸素マスクをつけられ、付き添いが下の世話までしなくてはいけないとか。
看護婦はいないのかと尋ねたら、患者30人に1人くらいだそう。彼女の印象なので正確な数字ではありませんが、とにかく少ないことは間違いないようです。
ただ、病院の建物や施設が見るも無惨に悲惨な状態かというとそうではありません(病院にもよるでしょうが)。一度、夫の従兄弟が入院してお見舞いに行った病院は、普通に小ぎれいな病院でした(もっとも、最近の新聞によると、この病院はコロンビアでも一番いい病院と評価されているよう。何を基準とした評価なのかは、記事の中身を読んでいないのでわかりません)。
また、医師は病院に所属しているわけではなく、市内で最高に高い病院と公共の病院を掛け持ちしている人もいるので、病院によって医療レベルに差があるというわけでもないようです。それでも、民間の方が効率的に、場合によっては公共のものよりも割安にサービスを受けられるということは言えそうです。
ところでその知り合いの女性が興味深い質問をしてきました。「日本では病気の人はあまりいないんですよね」と聞かれたのです。彼女がなぜそう思ったのかは謎です。平均寿命が高いからでしょうか。「いや、病気の人はたくさんいますよ。でも会社に勤めていると健康診断などを義務づけられるから、それで大病の人が少なくなることはありうるかも。でも自殺者はわりと多いし」と答えておきました。
あと、彼女の質問の背景には「日本食は健康的だ」という思いこみもあったようです。でもコロンビアの食事も、普通の家庭の食事なら米と肉、スープと芋や豆という感じで、比較的バランスが取れていると思いますが。ボゴタでは場所柄、魚はあまり食べませんけども。
PR